12月21日、一橋大学講堂におきまして、好酸球を中心としたアレルギー性炎症をテーマとした医師研究者主導研究会であります「アレルギー・好酸球研究会」(The Workshop on Eosinophils in Allergy and Related Diseases, WEA,)の2024年学術集会が開催されました。本研究会はセンター長永田が代表を務め、当センターが事務局として主催しております。
本研究会のロゴマーク
今回の会長は好酸球の基礎研究でご高名な秋田大学総合診療・検査診断学教授の植木重治先生が担当されました。
本研究会の公式?トレーナーをきて開会挨拶をされる植木先生
アレルギー性炎症の病態解明また治療の方向性について、好酸球を中心に、基礎から臨床まで幅広い一般演題が21題、加えて教育講演2題、特別講演1題と盛りだくさんの内容でした。好酸球は重症喘息などにおける重要なエフェクター細胞として注目されていることもあり全国から大勢の方が参加され盛況を呈しておりました。
一般演題で、当センターからは山梨大学から本学呼吸器内科への留学生であった星野祐貴先生(現山梨大学)が、本学在籍中に研究された“新規炎症性サイトカインであるIL-36群の血中濃度と喘息病態の関わり”についてのご発表をされました。また総合診療内科のホープ渥美孝郎先生が“腹膜透析でみられる腹膜線維化と好酸球性炎症との関係性”についてご発表されました。渥美先生は学会デビューと伺いましたが、堂々たる発表ぶりで、質疑応答も立派だったとおもいます。
発表される星野先生
発表される渥美先生
教育講演のひとつでは、韓国Ajou Universityの女性教授で国際的にも大活躍をされておられるHae-Sim Park教授が“Distinct role of eosinophils in severe asthma”のタイトルで、好酸球を中心に重症喘息の病態解明と治療戦略についてのご講演をしてくださいました。司会は筆者(永田)が担当いたしました。Park先生には自分は2005年にミュンヘンで開催されたWorld Allergy Conferenceでのシンポジウムでご一緒させていただいて以来お世話になっており、同先生が会長をされた韓国アレルギー学会の際にも講演でお招きを頂いたこともあり、今回ご来日いただいてのご講演を司会させていただき、大変に感激の至りでありました。
Park教授と筆者
さて本研究会では若手研究者の奨励のために優秀演題をYoung Investigators Awardとして表彰をしております。今回呼吸器内科での研究成果により、星野先生が受賞をされることとなりました。星野先生はご家族のご都合により会の終盤は退出されており、研究の師匠である呼吸器内科の杣知行先生が代わって受賞式に臨まれました。
授賞式での植木会長と星野先生の師匠・呼吸器内科杣先生
今回の本研究会は基礎研究から臨床報告まで幅広く、教育セミナーや特別講演では最新の知見をご提示頂き、充実した学術集会となりました。来年度は2025年11月29日に慶応義塾大学呼吸器内科教授・福永興壱先生が会長として開催予定です。今後も本研究会がアレルギー性炎症を論じる貴重な会として発展し、アレルギー学の向上に寄与していければ有難いと存じます。
(文責;永田真)