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「アレルギー・好酸球研究会2010」が開催されました

 2010年6月19日土曜日午前9時より午後5時まで、大手町サンケイプラザにおいて、「アレルギー・好酸球研究会2010」(A Workshop on Eosinophils in Allergy and Related diseases 2010)が開催されました。
 今回、当アレルギーセンターのセンター長が会長をつとめさせていただきました。この研究会は歴史ある学術集会で、当初は好酸球研究に特化してはじまりましたが、その後、周辺領域の免疫・アレルギー学に関連する基礎研究をひろくご発表いただく機会として発展してきたものです。
 今回は一般演題32題の応募があり、さらに当センター研究部門長である松下祥教授(埼玉医科大学免疫学教室教授)による特別講演も行われ、大変に充実した内容のものとなりました。
 一般演題は好酸球の産生・分化、機能、表面受容体と活性化機構、局所集積メカニズムをふくむ好酸球の細胞生物学に関連する基礎的研究の演題が約半数ともっとも多かったですが、ほかにも動物モデルによる喘息・アレルギーの病態研究、好酸球以外の炎症細胞・免疫担当細胞のアレルギーにおける役割についての報告、さらに臨床報告や臨床と関連づけた研究成果の発表と、たいへんバラエティに富む内容となりました。実は準備段階において、万が一の一般演題不足時に備えて当センター関連からの“隠し玉”演題を若干用意しておいたのですが。。。幸いなことに杞憂に終わり、逆に演題数が十分であったために今回はお蔵入り(!)となるような一幕もありました。
 松下教授の特別講演はセンター長が座長を担当させていただきました。松下教授は「アジュバント活性の質的評価とその応用」のタイトルで、アレルギー疾患の病態やその重症化などに関与すると考えられているT細胞の亜集団であるTh2やTh17の分化誘導を増強する各種の免疫学的アジュバントの検索、さらに治療への応用にいたるまでの膨大なご研究の成果のエッセンスを、非常にわかりやすく、しかもまとめてご講演くださいました。わかりやすいものの学問的にはきわめて格調が高い最新鋭の内容で、まさに「アレルギー研究の最前線」、の感がありました。事実、会場には免疫学・アレルギー分野で高名な免疫分野の学者のみなさんや、呼吸器内科系など臨床の大学教官も大勢おられたのですが、絶賛の声が上がり、大変に好評でありました。
 なお今回の研究会には100名を越える医師・研究者がご参加くださり、8時間を超える長丁場ではありましたが終始大変に活発で熱心な討論が繰り広げられ、質の高い学術集会となったとおもいますし、なんとか無事に成功裏に終了いたしました。
 本研究会は埼玉医科大学アレルギーセンターとして初めて主催させていただいた記念すべき学術集会となりました。この場をお借りしましてご参加、ご尽力いただいたすべての方に感謝を申し上げる次第でございます。(文責:永田真)

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