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2023年11月25日 第10回日本アレルギー学会関東地方会が開催されました

筆者(永田)が監事を務めさせていただいております日本アレルギー学会は、会員数約13000名のメガ医学会で、アレルギー診療や研究に関わる内科・小児科・皮膚科・耳鼻科・眼科そして基礎の先生がたの共同体です。2018年に各地方支部が開設され、関東支部長には筆者が任ぜられ、その主事業であるアレルギー学会関東地方会を年2回のペースで開催してまいりました。その第10回学会が、20231125()、秋葉原コンベンションホールをメイン会場として、WEBとのハイブリッド形式にて開催されました。記念すべきこの第10回目の学会長は、関東支部の設立以来、皮膚アレルギー疾患領域の面を中心に多大なご貢献をしてきていただいておりました、獨協医科大学皮膚科の井川健教授にお願いいたしました。


学会長の井川教授(右)と筆者

本学会はCOVID-19感染拡大時代には一般演題についてもWEBでの発表が多くみられましたが、今回は演者座長の皆さんは会場においでになり、ご聴講の先生がたも会場とWEB参加がおおむね半分ずつでありました。

当センターからは今回、筆者(教育講演担当)、呼吸器内科から杣知行先生(座長および教育セミナー演者)、中込一之先生(教育セミナー演者)、相馬真智香非常勤医師(一般演題発表)、また小児科から板澤寿子先生と渡邊諒子助教(一般演題発表)が参加いたしました。


ランチョン(教育)セミナーで講演をする中込先生(左)と座長の杣先生

特に2本設けられたランチョン(教育)セミナーのひとつでは当センター呼吸器内科の杣・中込両先生で座長と演者をご担当され、筆者としては苦楽を共にしてきた“弟分”の教室員ふたりの活躍を、頼もしくも嬉しくおもいました。

さて地方会の重要な意義は症例報告の場であること、そしてそれらの受け持ちをされた若い先生たちの発表の場であることです。呼吸器内科非常勤医師の相馬真智香先生は、「経口避妊薬による血管性浮腫と考えられた1例」について報告されました。相馬先生は本学卒業生で、専門医を取得後に育児をされつつも専門外来をご担当いただき、その多忙な中での立派なご発表であったとおもいます。


発表される相馬先生(呼吸器内科)

学会の楽しみのひとつに思わぬ“旧友”との再会があります。筆者は学生時代アイスホッケー部のGKをしていた関係で埼玉医大アイスホッケー部活の部長を担当しています。井川学会長のご勤務先獨協医大で、アイスホッケー部にはかつて圧倒的な大エース君が存在しました。慶應高校~大学でインターハイやインカレで大活躍され、その後に医学の道を志された松山友輝先生です。この若き皮膚科医も「JAK阻害薬が奏功した生物学的製剤治療に抵抗性の痒疹型アトピー性皮膚炎」について立派なご発表をされておられました。氷上での圧倒的だった雄姿とはまた違った初々しいご活躍を拝見でき、筆者はなんとも大変に嬉しいおもいになりました。“ホッケー魂”で同先生が飛躍していかれることを心から願います。


発表後、質問に答える獨協医大皮膚科松山先生

さて本学の小児科のアレルギーグループは自分が現在率いる呼吸器内科よりも、実はより長い伝統を誇ります。しかしながら不思議なことに“男性社会”が続き、長きにわたり女性の活躍があまりみられませんでした。そんな中、幸いなことに近年小児科には小児喘息などをご専門とされる板澤寿子先生がご着任されていましたが、今回本学卒業生の女性助教である渡邊諒子先生が「抗TSLP抗体が有効であった重症喘息児の症例」についてご報告をされました。同グループが現代風に!特に女性陣がおおいに活躍していくチームとなることを、期待してやみません。


発表される本学小児科・渡辺先生

本学会のプログラムは井川会長によるアトピー性皮膚炎治療についての会長企画(会長講演)をはじめ、皮膚アレルギー疾患領域の教育講演やセミナーが多くもたれていました。また重症喘息、花粉症、アレルゲン免疫療法などを含むアレルギー診療の各領域にまたがる多くの教育講演・セミナーがバランスよく用意され、非常に充実した内容でありました。一般演題も多くは病因アレルゲンあるいはアレルギーの分子標的治療にかかわるもの、また難治例あるいは希少なアレルギー疾患にかかわる貴重な報告でありました。そしてWEB参加をふくめて約170名が参加され、盛会といってよい活況を呈しておりました。

成功裏に終えられましたことは井川会長の実力のみならず、お人柄ご人徳によるものが大であった、とおもいます。井川先生には心からの祝福を申し上げますとともに、お支え下さった獨協医大皮膚科の先生がた、そしてご参加の先生がた、また後援企業さまにも感謝を申し上げたいとおもいます。


閉会のあいさつをされる井川会長

なお次回の本学会は202461日に、今回と同様の秋葉原コンベンションとWEBでのハイブリッド様式にて開催の予定です。関東地区にてご研鑽中のアレルギー学会員みなさまはもちろんのこと、広くアレルギーの臨床にご関心をおもちの先生がた、看護師さんなどのメディカル・スタッフ、そして研修医や医学生などのご参加・ご聴講をお待ちいたしております。(文責 永田真)

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