日本アレルギー学会では2019年に各地方支部を開設し、関東支部は筆者(永田)が初代の関東支部長を拝命し、当センターが関東地方会の運営を担当してきております。今回は第9回の同学会が、7月8日土曜に秋葉原コンベンションホールにおいて、集会型とWEBとのハイブリッド形式にて開催されました。学会長は会員数比率に立脚して選出させていただいており、今回の会長は帝京大学ちば総合医療センター呼吸器内科教授の山口正雄先生にお願いいたしました。同先生は東京大学のご卒業後にアレルギー研究のメッカであった物療内科で研鑽を積まれた先生で、筆者は90年代に東京大学の同研究室で御指導頂いた経緯があるご縁でもありました。
30代の頃から交流がある山口会長(右)と筆者(左)
開会の挨拶をされる帝京大学教授・山口正雄会長
本学会は、広く関東地区で活動される医療関係者の、アレルギーに関する知識の向上、また特にアレルギー総合診療の均てん化の一助となればありがたいと考え、運営させていただいております。
当日は一般演題のほかに会長企画(会長講演)、特別講演、教育講演、教育セミナー、ランチョンセミナーなど多様なプログラムが展開され、多数のWEB参加を含めて活況を呈していました。当センターからは小児科の板澤寿子准教授が「最近の小児気管支喘息診療」について、皮膚科常深祐一郎教授が「アトピー性皮膚炎の新しい診断治療アルゴリズムと新しい治療薬」について、呼吸器内科/予防医学センターの杣知行教授が「重症喘息コントロールに向けたトータルマネージメントの重要性」についての教育講演を各々担当されました。呼吸器内科の中込一之教授は群馬大学集中治療部の高澤知宣教授による特別講演「全身麻酔によるアナフィラキシーの解析」の座長を担当されました。
教育講演を担当する小児科板澤寿子先生
教育講演を担当する皮膚科常深祐一郎先生
なお筆者は教育セミナーの講演と、山口正雄会長による会長講演の司会を担当させていただきました。
さてこの関東地方会では、若手の医師・研究者の研究マインドを涵養し、奨励したいという思いから、初代関東支部長の自分の発案にて、一般演題の中から優秀賞を選出して表彰することとしています。今回は当センター呼吸器内科の朝戸健助教が「Dupilmab開始後多発性関節炎を発症した好酸球性胃腸炎、食物アレルギー、好酸球性副鼻腔炎合併喘息の1例」で同賞を受賞する名誉なこととなりました。
本学会は現地参加が約100名、加えて約120名のWEB参加があり、盛会となりました。成功裏に終わりましたことを、学会長をお努めくださった山口教授と帝京大学の関係者各位、そして活発にご参加くださった関東地区会員のみなさまにも祝意と感謝を申し上げする次第であります。この地方会が関東全体のアレルギー診療の向上に役立ち、ひいては総合アレルギー専門医(トータル・アラージスト)育成の一環となっていってくれればと願います。
なお第10回の日本アレルギー学会関東地方会は、2023月11月25日(土曜)に、獨協医科大学皮膚科の井川健教授を学会長として同じ会場にて開催予定です。アレルギー領域に関与される方はもちろん、ご関心のある医療関係者みなさまにご参加いただけますなら幸いです。(文責 永田 真)