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「アレルギー診療必携ハンドブック」を出版いたしました。

アレルギー疾患患者は多くの場合、複数の臓器にまたがって、多彩なアレルギー病態に悩まされています。例えば喘息症状で受診されたとしても、実際にはアレルギー性鼻炎やアトピー性皮膚炎を合併することが多く、さらには食物アレルギーなどにも苦しんでいるケースもみられます。
また当初は家塵ダニが主なアレルゲンであるとおもわれたケースが、数年の後には各種の花粉類や真菌類、さらに飼育している有毛ペットなどにも感作が拡大していってしまうことはしばしば経験されることです。
小児喘息で寛解したとおもわれていた患者さんが、成人になって再発することや、結局生涯にわたってさまざまなアレルギー症状に悩まれるケースも少なくありません。
アレルギー疾患の診療は、それゆえに初期診療だけで成否を判断できませんし、単一臓器・ひとつの病気を診るだけでは不十分なことが、むしろ通常なのです。患者中心的に包括的な視点で病態を把握することが大切であり、また人生全般にわたっての生活の質の保持を目標として、最善の医学的アプローチを提供するように心掛けていく必要があると認識されるのです。
そこで今回、中外医学社のほうから御要望があり、アレルギー診療シーンでしばしば遭遇する病態や問題を中心に、知識とノウハウをまとめさせていただいた「アレルギー診療必携ハンドブック」を出版させていただきました(写真下)。本書が広く診療の場において、日々のアレルギー疾患診療のお役に立ち、そして特に、多彩なアレルギー疾患に苦しむ患者さんたちの救済の一助となることを願う次第であります。(文責:永田真)

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