日本アレルギー学会では2018年に各地方支部が新設され、当センターは筆者が関東支部長を拝命した関係で、その関東支部をお預かりしております。その主事業であるアレルギー学会関東地方会の第4回学会が、2020年11月28日(土)、秋葉原コンベンションホールをメイン会場として開催されました。学会長は日本医科大学耳鼻咽喉科の後藤譲先生でした。
学会開始前のひととき。写真左より、第2回会長であった獨協医大小児科吉原重美教授、後藤会長の恩師・日本医科大学耳鼻科大久保公裕教授、後藤会長、永田(筆者)、みなと赤十字アレルギーセンター中村陽一先生
本学会はCOVID-19感染拡大状況への対応として、WEB参加と組み合わせたハイブリッド開催で行われました。当日は都内でPCR陽性者が1日500名を超えていた実情から、一般演題についてもWEBでの発表が多くみられました。もちろん会場では入場時の体温測定、随所で手指消毒が可能であり、マスク着用、座椅子のディスタンス確保などの感染対策の徹底が行われていました。
当センターからは今回、筆者(教育講演の座長)、呼吸器内科の杣准教授(座長)、中込准教授(セミナー座長)、内田講師(発表)、小児科の岡田助教(WEB発表)、耳鼻科の上条教授(WEB座長)と吉村助教(発表)が参加いたしました。
開会のあいさつをされる後藤穣会長。このときだけマスクをとられました。
プログラムは教育講演(筑波大学呼吸器内科・檜澤伸之先生)、会長企画(東京大学新領域創成科学研究科・中谷明弘先生)のほか、アレルギー診療の各領域にまたがる6つの教育セミナーが用意され、非常に充実した内容でありました。一般演題も33を数えました。その多くはアレルゲン免疫療法あるいは抗IgE・抗IL-4・抗IL-5などの生物学的製剤治療にかかわるもの、また難治性あるいは希少なアレルギー疾患にかかわる貴重な症例報告でありました。そしてこういった状況であるにもかかわらず、WEB参加をふくめて約160名が参加され、時宜を考慮すれば大変な盛会といってよい活況を呈しておりました。
本学会では筆者が第1回の会長を担当させていただいた折に、この領域の未来を担う若手・中堅の学問的意欲の鼓舞を目的に、一般演題の各セッションの中から1題ずつを選出しての「日本アレルギー学会関東地方会優秀賞」を設立して、閉会式の際に副賞を添えて表彰することを始めました。当初発表者の中から、およそ1/4~5の若手・中堅を表彰することを目安としていました。これがこの関東の学会の伝統として受け継がれ、今回の後藤会長も、当該座長から選出された数名の「優秀賞」受賞者を表彰されていました。そして今回なんと。。。呼吸器内科の内田講師、耳鼻科の吉村助教、そしてWEB参加であったために表彰式にはおいでになられませんでしたが小児科の岡田助教、の3名が本賞を受賞するという快挙!達成となりました。
後藤会長から表彰を受ける耳鼻科吉村美歩助教
表彰を受ける呼吸器内科内田義孝講師
学会を終えて、左から筆者、後藤学会長、呼吸器内科内田講師・杣准教授・中込准教授
本学会が多難な時期であったにもかかわらず成功裏に終えられましたことを、後藤会長には心からの祝福を申し上げますとともに、ご参加の先生がた、また後援企業さまに感謝を申し上げます。なお第5回の本学会は2021年3月27日土曜日に、順天堂大学眼科海老原伸行先生を会長といたしまして、今回と同様の秋葉原コンベンションとWEBでのハイブリッド様式にて開催の予定であります。関東地区にてご研鑽中の、学会員みなさまはもちろんのこと、広くアレルギーの臨床にご関心をおもちの先生がた、看護師さんなどのメディカル・スタッフ、そして医学生などのご参加・ご聴講をお待ちいたしております。(文責 永田真)