5月6日から7日にかけてソウル市において、2016年韓国アレルギー・喘息・臨床免疫学会(The Korean Academy of Allergy Asthma & Immunology)の学術総会が開催され、センター長が招待されて重症喘息治療についての講演をしてまいりました。
写真の右側は学会抄録誌、左側は当日会場の案内板で、ハングルの雨嵐のなか、筆者(永田)の名前が辛うじてMakoto NAGATAと読み取れ、たしかに自分の招待講演が組まれているということをどうにか認識できる状況でありました。
写真上は会長のソウル大学アレルギー科のCho教授。英語が堪能なだけでなく相当の程度の日本語もお話しになるので大変びっくりしました。とても紳士的な、国際人でありました。
挨拶にきてくれた若手医師がいました。3年前に筆者が会長をさせていただいた「第23回国際喘息学会日本北アジア部会」(東京)の際にシンポジストとしてお招きしたソウル大学のSong先生でした。当センター構成員の本学総合診療内科小林威仁講師と交流があり、今回はその研究仲間である筆者への表敬訪問のようなかたちで、礼儀正しく3年前の謝辞をおっしゃってくださいました。さすがに「東方礼儀国」と思った次第でした。
自分は「重症喘息治療の新規アプローチ」ということで50分間話をさせていただきました。Th2免疫反応のブロック戦略、好中球性炎症の治療の可能性、すでに存在している抗IgE抗体療法の新規効果、等につきまして、埼玉医大から情報発信してきたいくつかの論文データをまじえ、韓国語はできませんので英語で話をいたしました。冒頭に、埼玉医大の近所にはみなさんのご先祖さまが神様としておられて守って下さっている、と高麗神社さんの話などをいたしましたところ、多少なりとも好感をもってくださったのか、まずまず円滑に英語で笑いをとることはできました~。
講演のあと、単独行動でしたが観光らしきものもさせていただきました。写真左は戦争記念館で、ゆっくりみると半日以上はかかるような壮大な博物館。古代三国時代のそれこそ高句麗の戦争の目を見張る展示などから、写真で示す朝鮮戦争で実際に使われた兵器や戦闘機などの展示等々、大変に興味をひくものばかりでありました。韓国の若者たちは学会で日本人よりも元気よく英語でディスカッションに加わってくる場面をよくみてきましたが常に戦争の可能性とともに生きてきたことや、あるいは徴兵制とも無縁ではないのかもしれないともおもいました。写真右は李王朝時代の宮殿のひとつキョンボックンという名所で、これまた壮大なスケールに歩き疲れ果てた次第です。
最後にごはんのはなしをしますと、宿泊は米国資本のヒルトンだったのですが、朝食バッフェを周囲の方のパターンを真似してとっていたら肉だらけになってしまいました~(写真上左)。また最後に空港で「プルコギと冷麺セット」をたべましたが冷麺が茶色いカタマリででてきてびっくり!「どうせよちゅうんじゃ~」と思っていたらウエイトレスさんがこれを細かくハサミで切りにきてくれてまたびっくりでした~。韓国は近くて遠いというか、いろいろ勉強をさせていただいた学会でした。昨年秋にもWorld Allergy Congressがたまたまソウルでの開催で、その際も招待講演のたぐいでおじゃましており、2回目でしたのでいろいろと楽しむこともできました。多くの先生がたと名刺交換などもいたしましたし、隣国とは切磋琢磨しつつ、ともに今後もアレルギー研究の進展のためにも交流を深めてまいりたいと存じます。(文責 永田真)