お知らせとコラム

埼玉医科大学病院アレルギーセンター > お知らせとコラム > コラム > 「アレルギー好酸球研究会2013 」が開催されました。

「アレルギー好酸球研究会2013 」が開催されました。

 2013年6月15日 「アレルギー好酸球研究会2013 (A Workshop on Eosinophils in Allergy and Related diseases 2013)」が東京慈恵会医科大学の講堂にて開催されました。
 本研究会はこれまでは獨協医科大学の福田健代表幹事のもと製薬メーカーの全面的支援下にて開催されてきました。今年度より埼玉医科大学アレルギーセンターに事務局移管となり、スタッフおよび運営形態を一新し、永田真新代表幹事のもと新たな船出となりました。永田センター長、杣事務局長を中心に昨年より一からの準備に追われこの日を無事迎えられることができました。
 今年度の会長は、アレルギーの研究と専門診療を積極的に行われている帝京大学呼吸器アレルギー内科の山口正雄教授に労をとっていただき、一般演題18題、ランチョセンセミナー1題および特別講演1題の計20演題ととても充実した内容となりました。
 一般演題は好酸球の細胞生物学的アプローチによる基礎研究(好酸球の集積・活性化と制御)からIgE、マスト細胞、好塩基球およびリンパ球とアレルギー反応機序にかかわる重要な細胞に至るまでの検討があり、そのほかメカニズムに重要な役割をきたすサイトカインおよび臨床的検討として疾患解析等の多岐にわたる発表がなされました。
 そして、熱く、ハイレベルな学術集会の最後を締めくくったのは免疫学領域の重鎮で在らせられる善本和広先生(兵庫医科大学 先端医学研究所 アレルギー疾患研究部門教授)による特別講演でした。演題名は「IL-33による自然型および獲得型アレルギーの調節」でした。これまでアレルギー性炎症はアレルゲンとIgEが必須である「獲得型」の機序が一般的に知れていましたが、善本先生はこれらの因子が関与しない「自然型」つまりIL-18とIL-33により誘導される「自然型アレルギー」を提唱した第一人者であります。本講演ではIL-33 によって誘導される自然型および獲得型アレルギーの機序についてご自身の過去の発表および現在進行形の最新のdataを基に、膨大なご研究の成果のエッセンスを、非常にわかりやすく、しかもまとめてご講演くださいました。わかりやすいものの学問的にはきわめて格調が高い最新鋭の内容で、まさに「アレルギー研究の最前線」、の感がありました。実際に質疑応答の際には、代表幹事および座長をはじめ参加されていた免疫学・アレルギー分野で高名な先生方との濃厚なディスカッションにて予定の時間は”何処吹く風”にて大変充実したものとなり大変好評でありました。
 最後に次回会長の松本健治先生(国立成育医療研究センター研究所免疫アレルギー研究部)のご挨拶にて会を締めくくり、8時間を超える長丁場ではありましたが終始大変に活発で熱心な討論が繰り広げられ、質の高い学術集会となり、60名を超える医師・研究者参加の下の無事成功裏に終了いたしました。この場をお借りしましてご参加、ご尽力いただいたすべてのスタッフの方々に感謝を申し上げます。 今後3年間!は当センターの事務局が中心になって運営される予定です。医学が進歩しているにも拘らず今なおアレルギー患者が年々増加の一途をたどっている現状をふまえ、この様な有意義な研究会に関心を持ち携わりたいと思っていただける”熱い仲間”を心よりお待ちしております、(文責:小林威仁)

トップへ戻る