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SAITAMA ALLERGY WORKSHOP 学術講演会が開催されました

 アレルギー疾患は小児から成人に至るまで広く発症し、また患者さんはしばしば喘息、鼻炎、アトピー皮膚炎、といったように複数の疾患を併発することがふつうです。そこで個々のアレルギー疾患に対するというより、複数のアレルギー疾患をもった患者さんに対する、また患者さんの小児期から大人になるまでの長期的視野にもとづく、“患者中心的な(Patient oriented)”、包括的な診療スタイルが好ましいと考えております。欧米や韓国などではこのスタイルによるアレルギー診療がすでに主流ですが日本ではやや遅れた感があり、当センターではこの点を重視して診療・教育活動を行っております。
 その卒後教育活動のひとつとしてこのたび、県内の一般の臨床医の皆様等を対象に、製薬企業グラクソスミスクライン株式会社さんとの共催で、SAITAMA ALLERGY WORKSHOP という学術講演会を、9月6日に川越プリンスホテルにおいて開催させていただきました。
 プログラムはまず小生がこのような学術集会の意義等につきまして、Opening remarksを述べさせていただき、ご挨拶とさせていただきました。
 第一部としまして、「最近の話題」として当センター所属の埼玉医大小児科植田穣助教から、小児における食物アレルギーについての実態と診断に関するミニレクチャーをしていただきました。
 次いで当センター所属・埼玉医大耳鼻科講師の上條篤先生には、「教育講演」として難治性のアレルギー性鼻炎における手術療法の意義と実際についてのおはなしを賜りました。
 セミファイナルには「アレルギー最前線」として、島根大皮膚科助教の千貫祐子先生に、今話題の小麦成分含有石鹸によって発症する小麦アレルギーのトピックス、とくにその診断のポイントなどを中心にすばらしい講演をしていただきました。
 最後に「特別講演」として、横浜市立大学呼吸器内科教授の金子猛先生より、喘息診断の現状と展望について、とくに欧米で今注目をあつめている重症喘息での気管支鏡による肥厚した気道組織の温熱療法(Bronchial Thermoplasity)の紹介があり、会場の注目をおおいに集めておりました。
 川越地区など埼玉県西部の医師向け勉強会、講演会はなかなか人数があつまらないことがおおいといわれており、通常数十名程度の規模のことが多いですが、今回は実に、173名の先生がたにご出席いただきました。これはもしかすると川越プリンス史上の最多記録?かもしれません。
 これもアレルギー疾患、アレルギー診療に対する臨床の第一線の先生がたの関心の深まりを反映したものと考えております。埼玉医科大学アレルギーセンターとしては産学連携なども通じつつ、市民のみなさんあるいは第一線の臨床医のみなさんへの教育活動にも、今後ますます力をいれてまいりたいと存じます。(文責 永田真)

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