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2012年International Symposium on Infection and Allergy of the Noseに参加して

  今回の学会はヨーロッパ鼻科学会との共同で、フランス南西部の都市トゥールーズで6月17日から21日まで開催された。今回埼玉医科大学耳鼻咽喉科・アレルギーセンターから参加したのは加瀬教授、杉崎助教、そして私、上條の3名である。ちなみに私はこの学会には最近は定期的に参加しており、ちなみに、昨年は慈恵医科大学の主催により東京で開催され、初めて国際学会で座長をさせていただいた(冷や汗)。今年はポスター発表だけなのでかなりお気楽な気持ちであったことは否めない。飛行機は6月16日の深夜0時40分ごろの羽田からの離陸であった。ヨーロッパに行くのに、深夜便を利用したことはなかったが、非常におすすめである。飛行機に搭乗したら、ひたすら寝ていればいいのだ。気が付くとあと3時間ほどでパリに到着とのこと。そこから、1本映画を観終わったら、そこはパリだった。ちなみに加瀬教授は搭乗中「4本映画を観た」とおっしゃっていた。さすが、短い時間でも時間を無駄にしない心掛けがすばらしい。パリから飛行機を乗り継いで6月16日の午前中にはトゥールーズへ到着。
 さて、まだ、学会前日、しかも午前中、さて、どこへ行こうか?ガイドブックをぱらぱらめくると「カルカッソンヌを見ずして死ぬな」との文句を目にした。カルカッソンヌはトゥールーズからTGVで約40-50分の所にある歴史的城塞都市(世界遺産)だそうだ。まだ、死ねない。午後のチケットを予約すると、早速カルカッソンヌへ移動した。ここはパリを除けばモン・サン・ミッシェルについで観光客が多いことで有名だそうだ。Fig.1に外観を示した。しかしながら、さすがに到着が夕暮れに近づき、本丸へ入場することはかなわなかった。残念。
 翌日は日曜日、学会は始まっているが、セレモニー程度、我々はもう少しフランス文化を学ぶことにした。そこで、ボルドーに向かうことにする。TGVなら3時間弱で到着予定である。しかし、トラブルはつきもの。ボルドーにもう少しで到着というところで、突然電車が停止。車掌がフランス語で何か説明しているが、何の事だかチンプンカンプン。午後からのバスツアーでワインの名産地であるサンテミリオン(これも世界遺産)を目指すという我々の計画にしのびよる黒い影。しかたないので状況把握すべく近くに座っている乗客に状況を聞いた。彼の片言の英語によると、移民が電車の電線を体にまきつけて、トラブルになったとかならないとか。2-3時間くらい動かないかも。まあ、よくわからん。電車の電源はすべて落ち、どうすることもできない危機的状況。あ、そういえば俺は旅行保険に入ってきたんだっけ。ちなみに、加瀬教授と杉崎助教は保険に入っていないとのこと。ようしっ、と、優越感をいだきつつ、意気込んで保険会社に電話を入れる。「旅行の予定がキャンセルになったら保障されますか?」。オペレーターは「電車がとまった証明をとっていただければ旅行代金を保証します」。よし、海外旅行保険には今まで何回も入ってきたが、実際に使う機会は今までになかったが、結構使えるもんだなぁ、などと思っていたらおもむろに電車が動き出し、10分ほどでボルドー(ここも世界遺産)到着。まあ、保険はまた使う機会があるかもしれないし、よかった、よかった、一件落着。昼食を適当に済ませた後、ツアーバスにのり、ボルドーのワイン畑、サンテミリオンを訪問。ワインを数本購入。
 さて、ここまで、学会のことは全くふれていないが、もちろん月曜日からは学会モード、ヨーロッパ鼻科学会も共同開催であるため、アレルギーに特化した学会ではないので、ここでは詳しく触れないし、学会の詳述が私に与えられたテーマでもないことは承知している。
 いきなり、学会後日談に移ろう。学会終了後、我々は再度パリに移り、帰国までの時間を有意義に過ごすこととした。夕食後、エッフェル塔の夜景を見ようということになった。エッフェル塔を目指して歩く。だんだん近づく、そして、エッフェル塔(Fig.2)が目の前に迫ったそのとき、そう、23時、突然エッフェル塔のイルミネーションが点滅しだした。すばらしい、感動的場面、隣にいる、加瀬教授と杉崎助教もうっとりした表情。5分ほど点滅が続いたであろうか。よかった。今日も充実した、一日を過ごせた。さあ、地下鉄でホテルに帰ろう。ビル・アケムという駅で地下鉄を待つこと数分、やっと来た。地下鉄に乗り込むと、いきなり若い女性の二人組が私にフランス語で話しかけた。「この電車はトロカデロに行くの?」。私にはそう聞こえた(ちなみに私はフランス語は全くわからない)。トロカデロ?それってどこ?と、心の中で思いながら、列車の上を見上げ路線図を確認、「ノン・ノン」と教えてあげる。なんと、親切なフランス旅行中の日本人、私。彼女たちはあわてて列車を降りる。一日一善、今日もぐっすり眠れそうだ。二駅で路線を乗り換えよう、と下車。あれ、ウエストポーチのファスナーが空いている。財布がない。あ~やられた。ほぼ全財産とクレジットカードが2枚入っていたのに。すぐに手配し、カードを停止。それから、そうです、旅行保険の会社に電話をする。「財布をすられました」「状況を教えてください」「これこれこうです」「何色の財布ですか?」「緑色です、お金はもどってきますか?」「お金は保障されません。盗まれた財布の評価額のみ保障されます、お近くの警察で盗難証明書を発行してもらってください」。こんなやりとり。旅行保険って盗られたお金は保障されないんだ。せっかく旅行保険に入ったのに。。。
まあ、いろんなことがありました。フランスはスリ天国。皆さんも気を付けて。そして、レストランではフランス語のメニューが読めないと苦痛です。何がでてくるかわからないから。
 来年もこの学会には参加しようと思っています。来年はエジプトで開催とのこと。「来年の学会参加記はもう少し学術的なものにしろ」って?それなら他の人に頼んでください。 (文責:耳鼻咽喉科 上條 篤)

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