第24回日本アレルギー学会春季臨床大会(大阪大学大学院情報総合医学講座皮膚科学教室、片山一朗会長)が5月12日から5月13日にかけて大阪国際会議場において開催されました。今学会では「アレルギー疾患に取り組む各診療科間の連携」に関するテーマが多く取り上げられておりました。内科と小児科といった年齢的な繋がりだけでなく、内科・小児科と耳鼻科や眼科、皮膚科など、アレルギー性鼻炎やアレルギー性結膜炎、食物アレルギー、アトピー性皮膚炎といった疾患について診療科を超えて横断的に検討するシンポジウムが人気を博していました。中でも当センターの松下教授が座長を務め、杣先生がシンポジストを務めた『免疫療法』のシンポジウムは盛況で、用意された座席が埋まり立ち見の参加者であふれる状況でした。学会に参加された多くの先生方がこの分野に興味を持っており期待をかけていることが伺えました。
上記のシンポジウムだけでなく、立ち見の参加者がいる会場が多かった学会でした。そんな中で松下教授や杣先生のみならず、永田センター長や徳山教授など当センターの先生方が活躍されておられました。徳山教授は2日目、朝一番のシンポジウムで講演をされた後、5分後に始まる次のシンポジウムの座長を務められるなど目まぐるしいスケジュールだったと思います。徳山教授はシンポジストとして気管支喘息児のアドヒアランスについて講演されました。その中で、思春期の患者では患者本人の疾患や治療に対する理解がアドヒアランスに影響し、保護者の病気の理解の度合いはアドヒアランスにあまり影響しない、という調査結果を提示されました。思春期では患者本人への説明が重要であることを改めて認識させていただきました。また、徳山教授らが座長を務められた『小児の上気道・下気道炎症』のシンポジウムは耳鼻咽喉科と小児科との合同セッションで、アレルギー性鼻炎と気管支喘息の病態の関連や両者のトータルケアの必要性など、改めて考えさせられる素晴らしいシンポジウムでした。
永田センター長が講演を務められたランチプログラムの中で、開業医の先生から「科の枠を超えて、センターでどのような研究を行っていくか?」という質問がありました。世間から当センターが注目されていると同時に、筆者もセンターに属する一員として各先生方と協力していく責任を感じた次第であります。
今年度はアレルギー関連の大きな学術大会がほとんど大阪で開催されるのですが、そのスタートとしてふさわしい素晴らしい学会でした。 (文責 小児科 盛田英司)