この時期になりますと、スギ花粉症のかたはおそらくみなさん、とても憂鬱な気分になられているのではないかとおもいます。アレルギー疾患は正確な治療をおこなえばかなりの成果をあげることができるのですが、以外と正しい治療がいきわたっていないことがありますし、またとくに医学的根拠のとぼしい、民間療法などの「どツボ」にはまって苦しまれている患者さんにしばしば遭遇いたします。
センター長が埼玉県の幹事を担当しております公益法人の日本アレルギー協会が主催で、例年この時期に、市民のみなさんにアレルギー疾患についての正しい知識をもっていただく目的で、市民公開講座をおこなっております。今年度のアレルギー週間市民公開講座は2月4日土曜の埼玉県草加市の駅前のアコスホールにおいて開催されました。ちょうどセンター長が埼玉県のラジオ局であるNACK5にスギ花粉症のことで出演した直後だったこともあってか、多くの市民のかたがご参加くださいました。
会に先立ち、本年度もこの“スギ花粉のメッカ”である埼玉県にとって、決して少なくない飛散が予想されるといううれしくない「予言」をふくめ、センター長がオープニングリマークスを述べさせていただきました。
そののち、「アトピー性皮膚炎」「気管支喘息」「スギ花粉症」についてそれぞれ県内のエクスパートの先生がたから市民向けのご講演を頂戴しました。
15分の休憩時間の間に質問をかいてもらって集計し、ラスト45分間で各演者あるいは筆者がそれを読みながら回答する形式でQ&Aのコーナーをもたせていただきました。この会場は各種のイベントがおこなわれる大型のホールですが、今回は患者さんやご家族の熱気あふれる質問で、大変に活発な会になりました。どの講演も好評であり、また活発な質疑応答が行われ、約2時間半があっという間にすぎてしまい、大変有意義な市民講座になったものと考えます。来年度はやはりこの時期、おそらく2月初旬に、所沢市での開催を企画いたしております。アレルギーに悩む市民のみなさんに、少しでも正確な知識をつけていただき、お役に立てることを祈念する次第です。 (文責 永田真)