2026年3月10日、本学カタロスタワーにて永田センター長の最終講義が行われました。埼玉医科大学病院における卒業生初の教授による“最後の授業”には、教員を含む150名を超える“生徒”が集まり、講義に耳を傾けました。
講義の中で示された「私というニンゲンについて」というスライドでは、小児期から重症喘息を含む複数のアレルギー疾患を抱え、複数の診療科を受診していたご自身の経験から、独立した診療科としてのアレルギー科の重要性を認識されたことが紹介されました。また、複数のアレルギー疾患に効果があり、根治的治療の可能性を有するアレルゲン免疫療法に早くから注目されたこと、さらに国内留学先である獨協医科大学で好酸球研究を開始し、その後ウィスコンシン大学で研究に一層打ち込まれた経緯についてもお話しいただきました。
こうした経験を基盤として、埼玉医科大学病院では、永田センター長を中心となり、2005年に「アレルギーセンター」が開設されました。同センターでは、アレルギー領域における最新治療を含む専門的かつ包括的な診療が行われています。また日本アレルギー学会においては、アレルギー疾患を総合的に診療できるTotal Allergistを育成する専門医プログラムの策定にも尽力されました。アレルゲン免疫療法の分野では、当院が日本の中心的施設の一つとして導入、研究、啓発活動を推進してきました。さらに日本アレルギー学会の「アレルゲン免疫療法の手引き」の作成にも委員長として中心的役割を果たされました。好酸球研究においては、ご自身の研究のみならず、「好酸球研究会」の代表幹事として日本の研究を牽引してこられました。加えて、重症喘息における好中球の関与についても精力的に研究され、これらの研究から導かれた環境整備の重要性に関するご見識は、大変説得力のあるものでした。

アレルギーセンターについて講義する永田先生
講義では、「おいで…おいでなあ!」「ワンチャンネコチャンネズちゃん~♪」など、先生ならではのいつものフレーズも交えながら、1時間にわたり軽快にお話しいただきました。学生や教員に対しては、引っ込み思案にならず積極的に挑戦することの大切さ、そして心豊かな医療を心がけることの重要性が繰り返し強調され、私自身にとっても忘れられないメッセージとなりました。
永田先生「最後の授業」の最終スライド
講義後には、6年生および家村前医局長より感謝の言葉と記念品が贈られました。その後、フォンテーヌにて懇親会が開かれ、終始和やかな雰囲気の中で大変楽しいひとときとなりました。永田先生は、4月以降は関連病院の東松山医師会病院の病院長となられ、当センターでは顧問となられる予定ですが、埼玉医大アレルギーセンターは残された私たちが力を合わせ、維持・発展させていきたいと考えます。永田センター長、長年にわたるご指導に心より感謝申し上げます。
講義後の集合写真
(文責:呼吸器内科 中込一之)
