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2024年5月16日に学内で第74回アレルギーフォーラムが開催されました

2024年516日(木)に第74回アレルギーフォーラムが埼玉医科大学第3講堂で開催されました。特別講演は、防衛医科大学校皮膚科学講座准教授の端本宇志先生より『結節性痒疹ビッグ・フォー』という演題でご講演を賜りました。

結節性痒疹は、その病名が表すように『直径10mm程度の結節が孤立性に散在して、非常に痒い』という疾患です。アトピー性皮膚炎と違い、紅斑や丘疹など湿疹がほとんどみられないことも特徴です。

結節性痒疹の病態の柱は、痒み、2型炎症、表皮肥厚、線維化の4つ(ビッグ・フォー)です。結節性痒疹の末梢神経は表皮では減少し、真皮では肥厚・増多しており(表皮内に末梢神経が迷入するアトピー性皮膚炎と異なります)、この末梢神経にインターロイキン(IL-4, 13など2型炎症に関わるサイトカインが結合することでヤヌスキナーゼ(JAK1を活性化させて痒みを生じます。実際、結節性痒疹の病変部ではIL-4受容体の発現が増強していること、結節性痒疹患者の血中IL-13は有意に上昇していることも分かっています。またIL-4, 13が真皮の線維芽細胞に作用してペリオスチンを産生することで線維化を形成します。これらのことから、結節性痒疹の病態の中心はIL-4, 132型炎症であり、これらを抑制する抗体製剤であるデュピルマブが保険適応となり、治療を継続することで痒みおよび皮膚症状の改善が期待できます。

これまで結節性痒疹に有効な治療法がほとんどなく、患者さんは長期にわたって痒みで眠れない、人前で皮膚を掻いてしまう、出血で衣類が汚れる、半袖など皮膚の露出ができないなどQOLの低下に直結していました。結節性痒疹の病態に即した治療の登場は、患者さんのみならず我々医療者にも福音となったと感じています。素晴らしい御講演を賜りました端本宇志先生へこの場をお借りして感謝を申し上げます。

(文責 皮膚科 宮野恭平)

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