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アレルギー疾患療養指導士(CAI)の活動を開始しました。

当院のアレルギーセンターでは地域のアレルギー性疾患の患者さんのニーズに応えるため、診療科の壁を乗り越え、専門性の高いアレルギー診療を提供しています。2018年より埼玉県で唯一のアレルギー疾患医療拠点病院に指定され、県内全域にわたるアレルギー診療の連携・レベルアップの中核病院の役割を担っています。
そのスタッフとして、小児アレルギーエデュケーター(Pediatric Allergy Educator:PAE)の資格をもつ看護師2名、管理栄養士1名、計3名がアレルギー性疾患の患者さんの支援を行っています。PAEは、一般社団法人日本小児臨床アレルギー学会によって認定された看護師、薬剤師、管理栄養士で、小児におけるアレルギー疾患の患者指導を専門にしています。
2020年5月より、包括的治療の一環としてPAEによる小児アレルギー看護外来を開設し、2020年度の支援件数は延べ200件でした。小児アレルギー看護外来では、アレルギー専門医から依頼を受けて、お子さんと保護者の方に患者指導をしています。一番多い疾患はアトピー性皮膚炎で、病態、スキンケア指導として身体の洗い方、軟膏の塗布方法や使用量、環境整備などについて説明し、とくに、軟膏の使用量については、実践しやすいように具体的にお伝えすることを心掛けています。その他、食物アレルギーの症状が起きたときの対応、アナフィラキシー時のアドレナリン自己注射薬(エピペン®)の使い方、気管支喘息の吸入薬の正しい吸入方法などもお話ししています。また、食物アレルギーの患者さんは、PAEの資格を有する管理栄養士との連携も行っています。管理栄養士による栄養・食事指導では、お子さんの生活や年齢に応じて、アレルゲンを除去した食事やその代替食、不足する栄養素を補う方法などを説明し、さらに、誤食を防ぐための工夫について一緒に考えていくようにしています。
そして、今年度からアレルギー疾患療養指導士(Clinical Allergy Instructor:CAI)の制度が始まりました。CAIは、一般社団法人日本アレルギー疾患療養指導士認定機構によって認定され、PAEとは異なり、小児だけではなく成人アレルギー疾患の特徴を理解し、成人・高齢者も患者支援を行うことができます。今年、当センターのPAEのひとりがCAIを取得しましたが、今後、PAEとともにCAIの資格者も増やし、PAEやCAIによる患者指導を充実させていきたいと思っています。

写真1
PAE(看護師)によるアドレナリン自己注射薬(エピペン®)の患者指導.

写真2
PAE(看護師)によるスキンケア指導.

写真3
PAE(管理栄養士)による食物アレルギー患者さんの栄養・食事指導.

(文責 PAE・CAI 大塚砂織 PAE 関澤藍)

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