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第5回総合アレルギー講習会が開催されました。

第5回総合アレルギー講習会が2018年12月15日、16日大阪国際会議場で開催されました。この会は、アレルギー疾患の診断・治療における医師格差、施設格差をなくす、すなわち均霑化を目的に開催されています。アレルギー疾患は呼吸器内科、小児科、耳鼻咽喉科、皮膚科、眼科と複数の診療科にまたがっています。従来の日本の医療はこの基本科を土台に行われがちであったため、例えば喘息、アレルギー性鼻炎、アトピー性皮膚炎がある患者さんは、複数科を受診する必要がありました。現在では少しずつではありますが、アレルギーを総合的に診療できる医師が増えてきております。本会はそのような総合アレルギー科医の育成に貢献しています。今回はじめて大阪で開催され、国立病院機構三重病院小児科の藤澤先生が会長を務められました。
さて、この会に私がのこのこ出ていったのは、もちろん勉強のためですが、同時に今回は教育セミナーで講演する機会を与えられました。教育セミナーとは、簡単にいうとランチョンセミナー、すなわちお弁当を食べながら、楽しく学びましょう、というセミナーです。私に与えられたテーマは「アレルギー疾患における耳鼻咽喉科医の役割」で、具体的な症例を中心にお話させていただきました。私のつたない講演のせいでお弁当が消化不良起こしてなければよいのですが。。。
私のことはさておき、2日間みっちり勉強させていただきまた。どの講義も演者の先生が詳細にお話してくださり、非常に勉強になるのですが、いくつも聴講していると、正直頭の中がいっぱいいっぱいになってきます。そんな中で、私が最も感銘を受けたのは、理化学研究所の茂呂和世先生の講演です。彼女は非常に有名な方で、自然リンパ球なる細胞を世界に先駆けて発見された方ですが、特に2型自然リンパ球(ILC2)の発見は、アレルギー疾患のブレークスルーともなる大発見でした。彼女らは、このILC2は、上皮細胞が傷害を受けた際に放出されるIL-33などのサイトカインの刺激によって活性化し、アレルギー性炎症において非常に重要なサイトカインであるIL-5やIL-13を大量に産生することを報告していましたが、今回は特殊な条件下ではIL-4も産生すること(これは実は昨年のご講演でも言及されていました)、そしてこのIL-4産生はポリクローナルなIgE産生を誘導すること(びっくり!)を解説されておりました。そして、このポリクローナルなIgEはマスト細胞や好塩基球などのIgEを生存シグナルとして必要とする細胞の維持・活性化に寄与しているとのことです。話の内容が非常に理論的でわかりやく、非常にスマートな人であることがよくわかります。お若いのに本当に素晴らしいと感じました。
最後に、大阪で食べた串揚げは最高でした。店の名前は「。。。。」。知りたい方はご連絡ください。ここ、重要ですね。

(文責 耳鼻咽喉科 /アレルギーセンター 上條 篤)

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