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アレルギー週間市民公開講座が開催されました

埼玉県はいうまでもなくスギ花粉症の非常に多い県です。例年ちょうどその時期には日本アレルギー協会が主催し、当アレルギーセンターがバックアップするかたちでの市民公開講座を主催しております。2018年度の第24回アレルギー週間の埼玉地区の講座は、「アレルギー週間市民公開講座2018」として、2月24日土曜午後、熊谷市の市立市民ホールにおいて開催されました。アレルギーセンター長永田真が企画・司会を担当いたしました。
会に先立ち、まず筆者がオープニング・リマークスを述べさせていただきました。そののち、まず「スギ花粉症」について埼玉医科大学耳鼻科・アレルギーセンター客員教授でおられ、現山梨大学耳鼻科准教授の上條篤先生が、花粉症の診断や病態、基本的なアレルゲン回避指導や薬物治療について、さらに最新のアレルゲン免疫療法である舌下免疫療法の話題までを含めて講義を担当されました。注目の舌下アレルゲン免疫療法につきましては、筆者が責任編集者をつとめた日本アレルギー学会の「スギ花粉症におけるアレルゲン免疫療法の手引き」の著者(制作委員)のおひとりでもあり、実際的な解説をていねいにされていました市民の皆さまに手を挙げて答えていただくなど、とてもなごやかで楽しい講義となりました。

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 ついで「気管支喘息」については熊谷市の地元といってよい、埼玉県立循環器呼吸器病センター呼吸器内科医長の高久洋太郎先生から講義を頂戴しました。同先生も大学院時代は埼玉医科大学で研鑽されていた、当アレルギーセンターOBでもあります。喘息の病態やフルティフォーム®などを中心とした吸入ステロイド治療、とくに受動喫煙の影響や最近のいわゆる電子タバコなどもふくめて、たばこの害の重要性についてとくに力説されていました。
最後に「食物アレルギー」について本学小児科教授でアレルギーセンターにおいても中心的にご活躍の徳山研一教授にわかりやすいご講演を頂戴しました。

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 15分の休憩時間の間に質問をかいていただいて集計し、ラスト45分間で各演者あるいは筆者がそれを読みながら回答する形式で、Q&Aのコーナーをもたせていただきました。非常に多くのご質問を頂戴しましたがとくに近年の傾向として、食物アレルギーに関連した活発なご質問が多かった次第であります。この会の2週前にNHK「がってん」でその特集が組まれたことも影響していたかもしれません。

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 この日はピョンチャン五輪がまだ開幕中であったにもかかわらず、50人以上の市民のかたのご参加がありました。どの講演も好評であり、また活発な質疑応答が行われ、約2時間半があっという間にすぎてしまい、ご参加くださった市民のみなさんにとっても、大変有意義な講座になったものと考えます。なお最後の本年度市民講座は杏林製薬株式会社さんがご支援くださったことに、感謝いたしたいとおもいます。 (文責:永田 真)

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